この東京の異様な空気をどう表現したら伝わるだろう。

朝には補充されるのかもしれないけれど、僕がスーパーに行ける時間には米も卵もインスタントラーメンもトイレットペーパーも何もない。東京のこの異様な空気をどう表現したら、伝わるだろう。家の米は底をつき、仕方ないから弁当屋の弁当を買う。それもいつまで買えるのか、さっぱりわからず、僕は遠くの友人へSOSを送る。
誰かが冷静にと叫べば、別の方角から誰かが危険を訴える。錯綜する情報にほとほと疲れ、何を信じていいのかわからないから、それならばと僕は雑音をシャットアウトするべく、会社では大音量で音楽を聴くことにした。なるべく明るく元気の出る曲を、と思いつつ、その手の曲があまりにも少なく、あーあ、こんなときのために、少しは明るい曲も集めておかなくちゃなーと反省。
英外務省は食料、交通、通信などインフラが混乱する恐れがあるからと、東京及び東京以北からの退避を検討するよう自国民に呼びかけたとasahi.comに掲載されていた。交通はだいぶましになったけれど、これから食料はどうなっていくんだか、僕にもさっぱりわからず、それでも猫たちには『お前たちのご飯は心配ないよ。』と声をかけ、『いざというときには分かち合おうね。』なんて冗談も言ってみたりで。ま、もちろん、食べないけど。
元気かどうかはわからないけれど、何とかやっています。続く余震に猫たちも敏感になったのか、部屋中をぐるぐる回るそぶりを見せます。大丈夫、大丈夫と言い聞かせつつ、僕はシロンパ君を抱きしめて怖さを紛らわせたりしています。イヤイヤされるのも、こんなときは逆にほっとしてみたり。
リリーの母さん、レモンちゃん、その後どうですか。言葉をかける余裕がなかったこと、ごめんなさい。静かな時間過ごせていますか。リリーの母さんもあわただしいながらも、心静かに過ごせていますか。…なんて絶対に無理だよね。今は何の心配よりも、レモンちゃんに時間を注いで上げて下さい。東京の空から祈っています。