またね!

あの日から、まもなく一ヶ月が過ぎようとしています。満開だった桜はとうに葉桜になり、寒かった日々も、少しずつ暖かくなり……何があっても、季節は確実に巡るのだと…… どうして今回、僕はこんなに立ち直れないんだろう。大好きだったんだから、心に大きな穴があくのは当たり前ってわかっていても、小春の写真を見ては泣き、小春の遺骨に話しかけては涙ぐみ……こんな日がいつまで続くんだろう。誰かがいなくなるたびに読んでいた『旅猫リポート』。今回は何度読んだだろう。以前のブログで書いたけれど、僕は映画ではしょられたラストエピソードが大好きで。

tottoworld.hatenablog.jp

この本の最後はこんな風に締めくくられます。著作権の関係で怒られちゃうかな。

 僕のリポートはもうすぐ終わる。

それは決して悲しいことじゃない。

僕らは旅の思い出を数えながら、次の旅へと向かうんだ。

先に行ったひとを思いながら、後から来るひとを思いながら。

そうして僕らはいつかまた、愛しいすべてのひとびとと地平線の向こうで出会うだろう。

 

2人で旅した数々の風景。たった5年だったけれど、2人の時間はあまりにも濃くて。でもナナはすごい。ちゃんとまた会えるって知ってるから、サトルとの思い出を胸にしっかりと生きている。サトルもそれをちゃんと知っている。それなのに僕は。

どれだけサンタを傷つけているんだろう。あの日からサンタはより一層甘えん坊になりました。いつもニャーニャー鳴いています。サイレントニャーもよくします。そんなとき、なるべく応えてあげようと思うんだけれど、ふと目を上げると、そこにいたはずの小春を探してしまう自分……本当にごめん、サンタ。もう少し、もう少しだけ時間をおくれ。そうしたら僕は小春を愛したように、君には、これでもかってくらいにそばにいてもらうよ。

コメントやメール、ありがとうございました。きちんとお返ししようと思ったんだけれど、何をどう書いていいのかわからず、こんなに時間が経ってしまいました。世間は新型コロナウイルスでどうにも息の詰まる毎日ですね。最初から怖いとは思っていたけれど、ここ数日のニュースを見ていると、心底恐怖を感じます。今はマスク、手洗い、除菌、人混みを避ける……等々、できることしかしていませんが、少しでも早くこの閉塞感から抜け出せる日がくることを祈らずにはいられません。僕はまだ会社から給料が出るけれど、どれだけの会社や人が、途方に暮れているのかと思うと、どう言葉にしていいのかわかりません。

トットワールド猫屋敷をすっぱりとやめてしまおうか、ずっと考えていました。でも答は出さずにおきます。このブログはこのままにしておきます。いつかまた書くかもしれないし、もう二度と書かないかもしれない。始めたばかりの頃のホームページを見返してみると、そのデザインの拙さ、悲しみや切なさなんて知らなくて幸せいっぱいだったあの頃を胸が痛いくらいに懐かしく思い出します。いつかはこんな日がくるって頭ではわかっていたけれど、いざ迎えてみるとキツいものですね…

2000年4月に始めた『トットワールド猫屋敷』。長い間、寄り添ってくれて本当にありがとう。いっぱいの幸せもらいました。いっぱいいっぱい支えてもらいました。本当に素敵な楽しい時間でした。こんな大仰なこと書きながら、しれっと『久しぶり!』なんて書くときがあるかもしれないけれど、そのときはご愛敬で許してくださいね。お一人お一人の名前を書こうかと思いましたが、それこそ大げさすぎるのでやめておきます。今生の別れじゃないですもんね。そう考えると、やっぱりここでも最後の言葉はこれになってしまうみたいです。トットワールドの面々と、そして全国に散らばる僕の大切な友たちへ……

『またね!』