夜の道路に人が溢れた日。

午後3時前、揺れを感じる。同僚が『揺れ方が違う。』と言った瞬間、何もかもが大きく揺れ、パソコンは倒れ、棚の上の物が落ちてくる。『すぐにおさまる。』そう祈りながら、必死で壁につかまるんだけれど、揺れはなかなかおさまらず、僕は一瞬、あ、このままつぶされちゃうのかな、って怖くなった。
いつもはテレビの中で見ている映像が目の前に広がる。いろんな物が散乱した事務所。暗くなる空。電車が止まり、帰宅をどうしようか、会社になんか泊まりたくない。みんなの元へすぐにでも帰りたい。不思議なもので、そう思うと、僕の弱り切った足でも歩けるもので、今日は会社のある銀座から3時間かけて家まで歩いて帰ってきました。大通りを選びながらだったんだけれど、帰り着くまで歩道には人が溢れ、車は進まず、何だか悪い夢を見ているような……聞こえてくる会話は、僕の家よりさらに遠くまで歩かなくてはいけないような、そんな声も聞こえてきて、心の中で『頑張りましょう!』と呟く。
家も猫たちもみんな無事です。本やその他いろいろと散らかってはいたけれど無事です。たぶん一番動揺しているのは僕で、何だか心も体もうわっついたままみたいです。