元気

立ったままで洗濯物をたたんでいたときのこと。閉め切った6畳の部屋にはボクとトラマルと元気だけがいた。トラマルがしつこいくらいにスリスリしてくるのはいつものことなんだけど、さすがに今日は暑苦しくて『いい加減にしてくれよ〜〜』と言いながら下を見たら、、、スリスリしていたのは元気だった。見間違い?瞬間茫然。そしてしばらくしてもう一度スリスリ。そ〜〜っとしゃがんでみたらやっぱり逃げちゃったんだけど、元気の柔らかい毛の感触が嬉しくて、また泣けちゃった。そっか、心はまだ開いてくれてはいないけど、嫌いじゃないんだね。決してボクを嫌っているワケじゃないんだ。
猫が心を開く瞬間。
そのきっかけはわからないけれど……以前宅配の公園に毎日顔を出していたチャタローと言う雄猫。触らせるどころか近寄れば逃げてしまうような猫だったんだけど、5年くらい経ったある日、突然のようにスリスリをしてきてくれた。そしてそれがきっかけとなって翌日からはすっかり人なつこい子になった……
元気はまだ完全に心を開いてくれたワケじゃないのはもちろん分かっているけれど、そして今のままでも元気が幸せなら全然構わないけれど、もしかしたらいつか抱っこできるんじゃないか、そんな風に思ったら嬉しくて泣けちゃったみたいだ。泣き虫オヤジは絵にならないぞ。
何だか久しぶりにほのぼのと嬉しい夜。